あおばくんのあたまん中 vol.1

 

〈取材・編集・構成・写真〉 大石倫子


11月3日〜6日にわたって上演される『演劇ユニットせのび』の『どこかの国のアリス、あるいはなんとかランドのピーターパン』。これはシグ・アートギャラリーで演劇を上演するという初の試みでもあります。
この『演劇ユニットせのび』を率いるのは、現役大学生の村田青葉。21歳で盛岡市民演劇賞『創作戯曲部門賞』を受賞したという注目の演劇人です。そんな彼に、演劇にまつわるあれこれ、考えていることなどを、ざっくばらんに聞いていくインタビューをシリーズでお届けします。
聞き手はCygの代表であり今回の企画を担当する清水真介です。

 

 

vol.1 演劇との出会い

 

 

しみず:青葉くんこんにちは!今日はよろしくおねがいします。といってもいつもやりとりしてますけどね。お世話になってます。

 

あおば:あらためまして演劇ユニットせのびの代表の村田青葉です。こちらこそお世話になってます。インタビューってはじめてです。ドキドキしますね。

 

しみず:Cygとしてもインタビューは初めての試みなので、僕も緊張してます。

 

 

しみず:青葉くんが演劇と関わったきかっけから聞きたいのですが、高校の時に演劇をはじめたんですか?

 

あおば:高校では演劇とは無縁の応援団でした。演劇は大学から始めました。

 

しみず:演劇に関することはやってなかったんですね。それは意外。そして演劇に触れてたった4年目とはびっくりです。なんで大学から演劇を始めようと?

 

あおば:大学のサークルオリエンテーリングで『劇団かっぱ』(※1)の文字をみて、演劇って面白いかもなぁと思ったんです。スポーツも好きだったので迷いましたが。

 

(※1)劇団かっぱ…岩手大学の学生で構成される演劇サークル。今年で35周年を迎える長い歴史を持つ。毎年、夏期、秋期、冬期の定期公演を盛岡市内のホール等で発表。定期公演以外にも、4年生が中心になり卒業記念公演なども行っている。盛岡演劇界では劇団かっぱ出身のOB・OGも多く活躍している。

 

しみず:なんで面白そうと思ったんですか? 演劇の世界に足を踏み入れる人にはどういうきっかけがあるのか気になります。

 

あおば:実は好きな映画があって『サマータイムマシーンブルース』っていうんですけれども、小学校の頃にその映画を見て、ずっと心に残っていました。それの原作が演劇であることを知って、高校時代にはその劇団の舞台のDVDを取り寄せて観ていたりして、演劇って面白いなぁって思っていました。

 

しみず:面白いと思えたということは、演劇にハマる性質が青葉くん自身にあったあったんですかね?

 

あおば:そうですね、目立ちたがりだという自覚がありますし、常に面白いことをやりたいと思って生きている、というのもあります。高校の時は応援団もやっていたので人前に出るのは苦じゃないというか、むしろ好きというか。だから演劇っていいなって思っていたのだと思います。

 

しみず:目立ちたがり、ということは最初は演じることに興味があったとか?

 

あおば:演じるのはもちろん興味がありました。それと同じくらいに書く行為にも興味があった気がします。中学生の頃から小説を読むのも好きだったんですが「書けたらいいな」とか「書きたいな」とか思っていました。演劇だと戯曲(※2)を書くという行為があるので、演劇サークルに入れば自分が書いたものをみんなに見せられるかもと。そういう動機もありましたね。

 

(※2)戯曲…演劇の上演のために執筆された脚本や上演台本のかたちで執筆された文学作品のこと。さらに演劇の上演を前提とした場合でない文学作品もこれを指すことがある。 参考:wikipedia

 

しみず:そうして入団して活動が始まったわけですね。学生劇団である劇団かっぱはどのくらいの頻度で公演があるんでしょうか。

 

あおば:年に3〜4本の公演があります。休みの期間もあるのですが、公演のだいたい3ヶ月くらい前に脚本を決める会議があって、そのあとオーディションで役を決めて、そこから2ヶ月くらい稽古をやって本番という感じですね。

 

しみず:結構なスパンであるんですね。青葉くんはまず最初は演じる側、役者としての活動となるんですよね。

 

あおば:7月の夏公演に役者として出ました。この夏公演は、3年生の引退公演と1年生の顔見せ公演を兼ねているんです。

 

 

 

演劇ユニットせのび代表・村田青葉

 

 

しみず:わぁ、あっという間に人前に出ることになるんですね。中学とか高校から演劇やっている人も盛岡には多いイメージですよね。実際、盛岡の演劇の世界に入ってみて戸惑ったりしなかったですか?

 

あおば:高校からやってなかったという「遅れ」があったぶん、頑張らなきゃ、という気持ちは強かったです。演劇独特の緊張感はもちろんありましたが、苦ではありませんでした。僕が特殊なのかもしれないですね。映画も小説もお笑いも大好きで、且つ人前に出るのも苦じゃないっていう性質だったので。

 

しみず:強いなぁ。いや、強いとか特殊だというよりは、青葉くんは演劇を楽しんでたんでしょうね。戯曲はいつごろ書き出したんですか?

 

あおば:夏公演の活動をしながらも「書きたい」という気持ちが強く湧いてきていました。身近に書いている先輩方がいたのでどういう方法で書けばいいのか聞いたり、それまで積極的に見ていなかった戯曲というものを読むようにしたりと、書くための勉強を自分なりに進めていきました。そして11月の秋公演に向けた脚本(※3)を完成させたんです。処女作ですね。

 

(※3)脚本…_浸、何処で、誰がなどを説明する柱書き 台詞 L鮗圓瞭阿やしぐさ、装置や音楽や照明に関する指定が書かれたト書き 大きくこの3つで構成された、演劇の上演のための設計図的役割を担うテキスト。 参考:wikipedia

 

しみず:それを、脚本を決める会議に出した、ということですね。

 

あおば:そうです。ありがたいことにその会議で秋公演の脚本として選ばれたんです。

 

しみず:おお! サークルの中とはいえ人生で初めて書いた戯曲が採用は嬉しいよね! 戯曲を書いた人が演出(※4)もするんですか?

 

(※4)演出…戯曲をもとに、俳優の演技はもちろん、照明・音響などの効果や装置、美術を利用して、作品全体をつくり上げていく役割、人のこと。同じ戯曲でも、演出家の解釈によって違う作品になる場合が多い。少人数でつくることの多い演劇では、幅広い視野で舞台を総合的に組み立てていく力が必要になる。 参考:wikipedia

 

あおば:通例だとそうなんですが、まだ演劇のこともよくわかってなかったので、演出家は2年の先輩がすることになりました。

 

 

 

2013年公演の岩手大学劇団かっぱ「拝啓、七名様。」この時の演出家・菊池淳也は、今回は役者として出演。

 

 

しみず:はじめて紙の上の脚本の状態から、演劇という形の作品になった、その手応えはどうでした?

 

あおば:実はですね、すごい自分の中で納得がいってないというか、悔しかったというか。会議までして選んでいただいたので、自分で自分の脚本をつまらないとは言えないんですけれども、自分としては出来の良くない脚本だなぁと思ってまして。

 

しみず:自分が「良い」と思って書いたはみたが、すぐに「良くない」と思った、と。

 

あおば:演劇という形になると自分の脚本の未熟さが嫌でもはっきりと見えたという感じです。処女作だからしょうがないのかもしれないんですが。

 

しみず:自分の創りだしたものに対して、客観性を持ってダメだと気付ける人と気付けない人がいるよね。青葉くんは気づけたんですね。

 

あおば:気付きました。かなり悔しかったです。とにかくその悔しさから本格的に戯曲を書くための勉強をはじめました。先輩方に意見をもらうのはもちろん、プロの戯曲を読んだり、有名な演劇のDVDを積極的に見るようにしました。それから東京にも夜行バスで行って演劇を見るようにしていきました。失敗という言い方だと語弊があるかもしれないのですが、最初に苦い経験をしたことで自分がより演劇にハマっていったんだという気がしています。

 


〈つづく〉

 

 

 

 

演劇ユニットせのび 第2回公演
『どこかの国のアリス、あるいはなんとかランドのピーターパン』

Cyg art gallery

 

2016年
11月3日(木)14:00-
11月3日(木)18:00-
11月4日(金)19:30-
11月5日(土)14:00-
11月5日(土)19:30-
11月6日(日)11:00-
11月6日(日)15:00-
※開場は各30分前 ​※上演時間は100分程度を予定

 

チケット:

学生1,000円(当日1,300円) 
一般1,500円(当日1,800円)

Cyg art galleryにて販売中

 

企画:シグと村田青葉

 

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